【月夜水の詩】管理人夜子の、清水玲子作品世界全般+『秘密』ファンブログ
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『秘密』「本編」「原罪」のネタばれです。



薪さんは、幸せだったんだ。
守りたいものがあって。願いがあって。
12巻の「ENDGAME」で薪さんの、




薪「一度は警察を辞めようかとも思ったが…
でも残るからにはおまえ達が…
おまえ達が晴れて各管区本部の室長になる時には
――僕も、「組織」を変えられるだけの役職に就いて、
「第九」が、捜査員の「安全」と「家庭」と共に、
発展していけるように尽力する…!」

青木「それは……命令ですか……」

薪「いいや、願いだ」(『秘密』本編12巻より)




その時願っていた、捜査員が安心して働ける
環境をつくれるだけの、地位も名誉も得て、
そして、「警察庁科学警察研究所 所長」
として、日本に帰ってきた。




「「何かを守りたい」と思える人は
それだけで、とても倖せだと思います」

「笑えるよな。(中略)
僕がこんな仕事をするなんて。
きっと、ろくな死に方はしない」(『秘密』本編12巻より)




本当に薪さんは倖せじゃないの?



薪さん自身は、気付いていないかもしれない。
自分だからこそこなせるプロジェクトにたずさわったのに。
薪さんが居なかったら、
成功しなかったかもしれない、プロジェクトなのに。



薪さん本人にとっては無自覚かもしれない。
でも、自分の能力を存分に生かす、
それは生きがいや目標にならなかったろうか?
しかも、それが、「第九」を守ることにつながったのだ。
「第九」を守りたい。それを、叶えていた。
それが、叶ったのに。




薪さんは「第九」だから、自分の能力を活かす事が出来た。
「第九」だけは辞めたくなかった。
「第九」だけは壊したくなかった。
「第九」が唯一の生きがいであり、生きる意味だった。




そして、「第九」は全国展開し、薪さんも、
科警研所長として、日本に帰ってきた。




だって、『秘密』本編で、迷宮入りした事件って、
ほとんどなかったじゃないですか。




薪さんはその才能を、発揮し続けたじゃないか。
人やものの状況を見ただけで、推測する能力。
博学で、語学や様々な知識。



それは、薪さんだから、「第九」に居たから、「第九」の捜査に活かせた。



だからこそ、薪さんにとって「第九」は大切だったんじゃないの?
どうしても手放すことが出来ないくらいに。





「MRI捜査は、確かに故人のプライバシーも、
倫理も踏みにじる「悪魔」の所業のような捜査方法ではあるが、
時に、人命を救う最大の武器にもなり得た。
類まれなる知識と洞察力をあわせ持つ、
薪警視正、この人の手にかかった時に」(『秘密』本編7巻より)





それに、薪さんは「第九」を失ったわけじゃない。
今、「第九」は全国展開している。
薪さんは結婚しないかもしれない。
でも、たくさんの部下たちが、
薪さんの子供であり、兄弟であり、家族じゃないか。
本編とはまた違う「第九」であったとしても。



だからもう、薪さんは幸せだ。
どんな残酷な現実があったとしても、
幸せだ。
薪さんは「第九」を守ることが出来たのだから。



これからどんな残酷な過去や未来があったとしても。
何を失ったとしても。何を責められたとしても。
守りたい場所があり、自分の能力を存分に活かせた。



それでもう十分、幸せだ。
私はそう思うし、そう願う。



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2014.07.27 (Sun) 08:59
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