【月夜水の詩】管理人夜子の、清水玲子作品世界全般+『秘密』ファンブログ
2017.04.  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 2017.06.
鈴木と薪を見ていて。
今までとは違うティルトとセツが見える。
清水作品の不思議なところは、
視点がほんの少し変わる、あるいはずれるだけで
違う絵が見えるところだ。


私にはセツが鈴木でティルトが薪に重なる。
セツが死ななかったらティルトは破滅の道にいかなかった。
ティルトの嘆きが、覚悟が、薪をとおして、より深く感じるのだ。


もし、鈴木が生き返るのなら。
ティルトは何でもしたが、薪さんは何を選ぶだろう。
「もし、鈴木が生き返るのなら」
この叶わない、ありえない願いは、
私にとっては『月の子』のはじまりだった。



セツは、自分がいるとティルトはベンジャミンを守らないからと、
薬を飲まず、治療を拒否して死んでしまった。
ティルトはセツを失いたくなかったのに、
自分のせいでセツが死んだと感じたかもしれない。
自分がセツを追いつめて殺したと思ったかもしれない。

だからこそ、ベンジャミンを恨み、憎む。
全てはベンジャミンのせい。
(薪が責任転嫁もできず、自分を責めながら、
第九を維持する。そこも奇妙に重なって別の旋律で好きだ。)



ティルトはセツを生き返らせた。
ティルトの全てを捨ててもまだはるか足りない選択肢を、
ティルトは選んだ。


ティルトは魔女との契約を果たすため、
「ティルト」として生きるのを捨て、人間の「ギル」にのりうつる。
セツに、真実を何一つ、話さずに。



契約により生き返ったセツは、ティルトがなぜいないかわからない。
今度はセツがティルトを探してさまよう。
ティルトの代償は、とても重いものだった。
そして、同時に。
セツも、この契約によって残酷な運命を歩むことになる。
何も知らぬまま。




もし、鈴木が生き返るのなら。
『秘密』の物語では、ありえない。
けれど、過去作品を読み返して、思いをはせることはできる。



幾度かエレナは天竜の映像や残像を見るシーンがある。
でもジャックは天竜ではないし、
天竜はもういない。


『輝夜姫』で、臓器移植のために殺されたドナーの臓器は、
本体ごと体を乗っ取って、生き返ったに近い状態になる。


それぞれは別個の物語。
でも何かでつながっている。




薪さんは望むだろうか?

もし、叶うなら、

鈴木と同じ人格を持つロボットが欲しいとか。
鈴木のクローンを作りたいとか。
鈴木を蘇らせたいとか。
鈴木の夢を見ながら、ずっと眠り続けたいだとか。

そう、望むだろうか。


言葉にしない領域で、私はそういうものも感じていたのかもしれない。




『秘密』を読みながら、私の中で、過去作品もより深くなった。

『秘密』が一番好き。
でも唯一オンリーにはしたくない。
過去作品を読みながら、私は別の『秘密』を見ているのかもしれない。




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※私信
Sさんへ。コメありがとうございます。(//▽//)
すごくうれしかったです。
もう少し、じっくりよく考えたいので、もう少しお返事を書くのにお時間を下さい。
お待たせして、申し訳ありません。m(_ _)m

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2010.09.13 (Mon) 22:47
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