【月夜水の詩】管理人夜子の、清水玲子作品世界全般+『秘密』ファンブログ
2017.09.  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 2017.11.
岡部さんしか知らない薪さん。
それが、どれだけあるだろう。
薪さんは大事な場面に、岡部さんしか連れて行かない。




薪さんは知っている。自分が第九で部下に何かしても、
絶対に岡部さんがフォローしてくれると。
でもそれは、薪さんの表層の意識にはないのかもしれない。
薪さん自身も気付いていないけれど、信頼し、甘えれる。


薪さんは、優しい言葉なんて欲しくないのだろう。
同情されるのが一番嫌いな人だから。
薪さんと岡部さんは、奇跡のような絆で結びつけられている気がする。



私は、薪さんが救われてほしいとかあんまり願わないですね。
薪さんにとって、「今」が薪さんの望みだと思うから。


第九があって、 第九にかかわっている。
それが今の薪さんの、唯一の願いだから。
それが今、叶っている。
第九を失った薪さんなんて、想像できない。
いや、私が想像したくないのだろう。



寄り添って、一緒に歩んでいく。
傷に触れないことのほうがよっぽど困難。
でも、岡部さんは、何も言わず、
薪さんをただ補佐している。
それってどれだけ優しいんだろう。
無償の愛だと思う。
薪さんさえも守られていることを意識しない。
忘れてしまえるほどの優しさ、思いやり。



自分が愛された故、大切に思われた故、
ゆがんだ愛で、たくさんの人が殺された。
相手のまっすぐな愛の結末が、
相手の命を自らの手で絶つことになった。
それは、どれほどの恐怖だろう。
そんな薪さんにとって、
普通の愛情は、薪さんの傷を広げてしまう、もろ刃の刃。




何も言わず、ただそばに居る。何も聞かない。
守られていることさえ、忘れさせてしまう、岡部さんの愛。

薪さんが、相手を必要とすることも、
相手に大切にされていることも、
全て気付かないでいられる。意識しないでいられる。
岡部さんは薪さんに、何も求めない。
どんな薪さんを見ても知っても、
ただそばで、見守って。何も言わず。


何て人だろう、岡部さんは。
見ているだけなんかじゃ、傍観者なんかじゃないんです。
そして、岡部さんの不器用な鈍ささえ、
薪さんにとっては安心や信頼に、形に変える。



今が薪さんの望み。今が続いてほしかった、のに。。。



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2010.08.26 (Thu) 18:25
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