【月夜水の詩】管理人夜子の、清水玲子作品世界全般+『秘密』ファンブログ
2017.09.  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 2017.11.
私の好きになれない、マンガというか物語は、
主人公もしくは主人公カプが善で、いい人で、
あらゆる障害や苦悩を乗り越えて、
でも絶対的に主人公は善で許されて、正しくて、
で、主人公を迫害、敵対する人が、どう見ても悪くて。
その作者の手の内が見えてしまうと、
もう、どうでもよくなってしまう。

やっぱり闇も光も持っているキャラが好きだ。
善も悪も両方持っていて、あがくキャラが好きだ。
勧善懲悪なんて、興味ない。黄門の印籠は、もういらない。


『月の子』のネタばれを多々含みます。




『月の子』は、ほんと、ファンの中で、
肩入れするキャラが、まっぷたつ、
いや、ふたつではないな。ティルト×セツ派と、
ショナ×セツ派にまた分かれていたし。
いくつもにも分かれる作品でした。


まあ、ジミーが好きな人は、ティルトやセツが嫌いだったり、
ティルトやセツに感情移入する人は、ジミーが嫌いだったり。
もうそういうのは慣れているし、それがイヤなら、
そもそもレビュー自体を読むのは困難でしたので、
長い年月で、慣れました。

私がキレイなものしか見ていないと思われるのはつらいな。
むしろ、いろいろあったけど、ここに居続けているわけだし。
作品やキャラを、肯定も否定もきっちり描く、
それが清水先生の作風だと思うし。

否定的なものをわざわざ書かないのは、
私の考え方であり、性格です。


『月の子』はあのラストが描きたくて描かれた作品だと聞いたので、
ティルトは悪役というより、裏の主役だというべきだし、
ヒロインはむしろセツに見える、と思っていましたが、
ずうっとあとになって、「ジミーはストーリーテラーです」というのを
清水先生がおっしゃっていたのを聞いた時には、
「聞いてなかったよそんなの(@@;)」と激しく驚きました。
出典がどこか気になって、あれから探しまくったのですが見つからず。
どこかネットで読んだのかもしれません。
すでに完結より、10年はあとのことではないかと思います。



『月の子』は、主役が5人だったんです。
三つ子で人間と人魚のハーフのティルト、セツ、ジミーと、
人間のアートと人魚のショナ。
彼らが愛憎入り混じりつむがれる、物語。


一応、ジミーとアートのカップリングが主役でしたが、
ティルトとセツがとても人気を得て、主役のジミーを完全に食ってました。
うちのサイト・ブログで、結末とかカップリングが、かなりわかってしまい、
申し訳ないです、すいません。
『秘密』にはまりきるまで(つまりつい最近まで)、
『月の子』がこの世で一番好きなマンガでした。


ジミーの見る世界。
ティルトの見る世界。
セツの見る世界。
アートの見る世界。
ショナの見る世界。

それぞれがとても丁寧に描かれていて、

ひとのためにしたことでも、本当にその人のためだったのかとか、
責任転嫁する気持ち、
利用する者、利用される者、
何も知らない罪、重すぎる罪、
とても好きです。


もちろん私は、ティルト及びセツを、とても愛していたので、
彼らを見る目と、ジミーを見る目は、じゃっかん温度差があり、

でもだからといって、ジミーが好きだし、嫌いにはなれないし。


だから、あんなにも『月の子』が面白かったんだろうなぁ。
それぞれの思いが奏でる旋律が好きだった。
正しいだけのキャラなんて、きっと私は、好きにはならない。
清水キャラの弱さが好きだ。


『月の子』が、清水世界の、万華鏡のルーツだと思うのです。
読者の視点により、同じ物語が全く絵が違う。
完結から十数年以上がたち、私がサイトを開いて9年近くになります。
それでも、唯一の答なんて、私は見つけることができない。

違う視点をもつことで、立場によって同じことが全く違うように見える。
キャラたちの利害は一致しない。
そこにはまったんだろうなぁ。

終始キャラの自己弁護だけの作品なんて、好きじゃないから。
罪も光もあるキャラが好きなんだろうな。
いろんな色に見えたから、『月の子』を研究し続けたんだろうね。
唯一の答を見つけることができなかったから、
こんなにも探し続けたんだろうね。




『輝夜姫』のときは、さらに誰にはまるかということで、
キャラクターへの思いが、人それぞれ違いました。
私も、晶や由より、
まゆ、碧、楓、守のほうが好きでしたし。




最近よくあるマンガのように
キャラにテーマをそのままセリフとして語らせるのとは違うんです。
キャラの思いが作者の思いというマンガとは違うんです。
清水先生は、キャラと同じ視点ではなく、
違う視点で、テーマを見つめた上で、
キャラのいいところもあやまちも描く。
きっととても厳しくて、優しい目で、描いてらっしゃるんだろうね。
清水先生は、とても意志の強い方だと思う。


そこがとても、好きなんです。


薪さんは、まだ絶望していない。
まだ信じるものがある。光を求めている。
私はそう、信じています。

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2009.09.08 (Tue) 22:07
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